シェアする暮らしの中で見つけた、新しい自分|ADDress Real Peopleミートアップレポート

ADDressでの多拠点生活をきっかけに、地域移住を果たした土井さん。シェアする暮らしの中で、ご自身の価値観にどのような変化があったのでしょうか。印象的な地域や会員の方とのエピソードについてお伺いしました!

登壇者紹介

▷ゲスト:土井彰子

家にいるのが好きだったこととコロナ禍でのテレワークにより、ひきこもりがちに。このままではいけないと、住んでいたマンションを売却しADDress生活へ。

訪れる側から受け入れる側になりたいという思いから、2022年5月より富士吉田B邸の家守に就任。

五感をフルに使ってホッピング

私が初めて予約して訪れた家は鶴巻温泉A邸でした。小田急線沿線で都心からのアクセスが良いにも関わらず、のどかで優しい里山風景が広がっており、お家自体も玄関をあけると、「おばあちゃん家に来た!」というような雰囲気で居心地が良かったです。

一緒に滞在したみなさんが早起きして畑仕事をされるのに感化されて、私自身も自然と健康的な生活になりました。自家菜園で収穫された野菜を見せていただくうちに、使ったことがない食材にも興味が湧いて、自炊で使ってみようと思えましたね。

また、地域に溶け込む旅行を初めて楽しめたのは、小豆島や淡路島をまわりつつ四国一周したときです。島を訪れたことがあまりなかったので、時間の流れ方の違いや自然いっぱいの風景が印象的でした。淡路島の山ではもののけ姫のシーンが思わず脳裏に浮かぶような体験も。

まだ知らない土地に行くと、欲張って何でも感じてやろう、見てやろうという気持ちになって、五感を刺激されますよね

日常の暮らしの中にある非日常の出会いもADDressの魅力

私の場合は、専用個室(住民票をおけるオプションプラン)を利用して、神奈川県の古淵邸を中心にADDressを回っていました。ホッピングによって、行く先々での交流を楽しむのもADDressの魅力の1つですが、日常生活の中に非日常の出会いがあることもまた、刺激的なんですよ。

家守さんが前の晩から仕込んだこだわりのカレーを作ってくれたり、お礼にケーキを作ってみたり。滞在している会員同士で持ち寄りパーティーをしたこともありました。

暮らしの中で様々な人とつながれることが面白く、古淵での生活は家守をしてみたいと思うきっかけでしたね。

環境を変えることで気がつく自分の強み

会員のみなさんにお料理を振る舞うことで、本格的に仕事にしようとしている方もいると聞きました。家族に料理を作る時はそんなに褒めてもらえないけれど、会員の方に提供したら大絶賛されるなど、いつものコミュニティだと評価されないことが、異なるコミュニティで喜ばれることもあると思います。

私はお仕事がIT系なのでパソコンの使い方を教えたときにとても喜んでもらえて。何気なくやっていることが人の役に立つことがあるのだと、とても嬉しかったです。

こうした新しい発見は環境を変えることの醍醐味でもありますね。

1人暮らしとシェアする暮らしの違い

ADDressで多拠点生活をはじめるときに懸念したことは、モノをシェアすることへの抵抗感です。

これまでも、たとえば、友人が遊びに来てキッチンで料理をしてくれるようなことがあっても、片付け方の違いなどの細かいところに目がいきがちでした。ADDress生活をはじめて、案の定、生ゴミを袋にまとめない、油が飛んでも拭かないなど、自分の当たり前から逸れると小姑のような気持ちになってしまうことがありました。

しかし徐々に、育った環境が違えば感覚も異なるという事実を腹落ちさせることで、自分のこだわりが小さくなり、シェアする豊かさに気がつけたと思います。嫌だなと思うことがあれば、自分が”妖精になって”「ここを掃除しておいたよ」とそっと伝えられるようになりました。

ゲストハウスでもシェアキッチンなどありますが、ADDressは不特定多数の人ではなく、お互いにルールを共有している会員が使うという安心感もありますね。今は家守の立場なので、掃除しないと、と思っていたところがきれいになっていると、ありがとうで満たされます。

会員の経験を活かして、地域と会員をつなげる家守へ

山梨県には縁もゆかりもなかったのですが、オーナーの方が事前に説明をしてくださっていたおかげでご近所の方にも友好的に受け入れていただけてありがたい限りです。

自治会への加入も無事果たしたので、地域活動に参加しながら、まずは富士吉田に溶け込みたいというのが直近の目標です。

ご縁を深められたその先は、会員の方のハブとなって輪をつなげていけたらと思います。みなさんも機会があればぜひ富士吉田B邸にお越しください!

この記事を書いた人

旅するフリーランス女将|さくらい ちさと

旅をしながら、地域のヒトモノコトが「らしく」あるように、編集し、演出し、調整するお仕事しています。執筆する人や場所のシズル感が伝わり、個性があふれるような文章になるよう心がけています。