2拠点生活で育む新しい家族のかたち。子どもと一緒に使うADDressの魅力。【会員インタビュー】渡辺さん

デュアルスクール制度を利用する小学校1年生のお子さんと一緒に、長野県のシェアハウスで暮らしているという渡辺さん。

神奈川県に住む夫と長男とは離れて暮らしており、旅行や出張、神奈川に帰る際にもADDressを活用しているといいます。

そんな渡辺さんに、家族で多拠点生活をすることになった経緯やADDressの使い方、子供連れでの滞在についてお話を伺いました。

夫のアパート代より安く、子供と一緒に滞在でき、地方の仕事も引き受けやすい。ADDressにはメリットしかなかった

夫が2015年から上海赴任となり、日本で2歳の長男をワンオペで育てていました。

その後次男を出産しましたが、新生児を抱えながらのワンオペは想像以上に大変で、家族全員で夫のいる上海へ渡りました。

ところが、一緒に暮らしていても夫は育児に協力的でなく、結局ワンオペの状態に。

馴れない上海での生活に、次男の病気も重なり、「どうせワンオペなのであれば日本の方がまだマシ」と感じ、1年半後に私と子供だけで先に帰国しました。

その後2021年に夫が帰国したのですが、夫婦間の育児家事分担のバランスがうまくとれず、1年間だけ家族4人で暮らした後、再び夫と別居生活を送っています。

かねてから気になっていたADDressを思い出したのもこの頃です。夫が育児をするのは日曜日のみで、平日と土曜日は育児家事を私が担うというバランスで、夫に対して不満が募る、そんな悶々とする日々の中でした。

改めて調べてみると、ADDressは夫のアパート代より安く、各地に家があれば、地方の仕事も気軽に引き受けられそうで、さらには同伴制度で子供と一緒に利用もできるということもわかりました。

もう夫と一緒に暮らすことは無理だと感じていたこともあり、話し合いの結果、今までの役割を逆転させ、夫が平日子供たちと同居する代わりに、私が平日ADDressを使って過ごすということになりました。

子供たちだけでなく、自分自身も心地よく過ごせた初めてのADDress

初めてADDressを利用したのは神奈川県の三浦A邸だったのですが、そこでの体験が想像していたADDressの世界観そのままだったので印象に残っています。

一軒家を改装しているので、空間自体も広々しており、遊び盛りの男の子2人を連れての旅にはぴったりでした。

家守さんもお子さんが3人おられるということもあり、子供たちにとても寛容で、本当に過ごしやすかったです。

たまたまその日に滞在していた会員さんがベテランの方で、近隣のおすすめスポットなどを教えてくれたりもしました。

その方は釣りをするそうなのですが、次男も釣りが好きなので、そういった話題から会話も広がりました。

夜遅くまでみなさんと一緒にお酒を飲み、子供たちは家守のお子さんと一緒に遊び、という感じで私も子供たちも心地よい時間を過ごせました。

ホテルよりお得に、のびのび過ごせるADDressを使った帰省

私は実家が新潟なので、地元で開催しているお祭りなどに子供たちを連れて行きたいと思っていました。

ですが、両親はすでに他界しており、実家も売却済みのため帰る場所がないことがネックでした。

以前ビジネスホテルを利用したこともあるのですが、男児2人を連れて宿泊となると、声の大きさなど、周囲へ気を使う場面が多く大変でした。

また、たまたま滞在した日が土砂降りでほとんど外に出られなかったということもあり、子供も退屈してしまい、部屋で騒ぐので、自分自身もかなり疲弊したことを覚えています。

そんな時にも、ADDressの家を利用すれば、ホテルのような閉塞感がない空間で子供たちものびのび過ごせるのでありがたいです。

ちなみに、ホテルの場合は子供2人と私の3人での宿泊となるとかなり出費がかさむのですが、ADDressの場合は同伴制度があるので、かなりお得に滞在できるのも嬉しいポイントです。

「学校がつまらない」次男の学校探しからはじまった、長野と神奈川の2拠点生活

当初、ADDressの利用開始は、次男の小学校入学後の落ち着いたタイミングを検討していました。

しかし、実際に小学校に通ってみると、次第に次男は「学校がつまらない」というように。登校が難しくなりました。

あえてフィットしない学校に通わせる必要はないと感じ、さまざまな教育システムをリサーチし、辿り着いたのが「デュアルスクール」という制度でした。

学校見学の結果、のびのびとした環境と、出身地が近いこともあり、長野県にある学校に在籍することになりました。

結果的に次男は、今の学校には一度も休まず通っており、「学校から帰りたくない」というほどです。

環境にフィットしたのは次男だけではありません。この学校に通うため、私と次男の2人で学校から徒歩圏内のシェアハウス(乗鞍すもも荘)に暮らすことにしたのですが、この環境が決め手と言っても過言ではないほど、私にもぴったりでした。

デスクワークをしてふと顔をあげると、一面に緑が見え、自然の風が吹き抜ける。ワークスペースとして完璧なだけでなく、長期休暇にはさまざまな家族が出入りするので、多様な人と関われるのも魅力です。

現在長男は習い事の関係もあり、夫と神奈川で暮らしているのですが、いずれはこちらで一緒に暮らせるといいなと思っています。

現在は、定期的に次男と一緒に神奈川県に帰っており、その際にADDressを活用しています。

当初の予定していた使い方とは少し違いますが、2拠点生活をする上でなくてはならないサービスになっています。

出張で訪れた鳥取。手作りの朝ご飯で始まる、あたたかい朝

2拠点生活での活用だけでなく、仕事でもADDressを利用しています。

先日は出張で鳥取県に行く機会があったので、岩美A邸に滞在してみました。

この家は山麓にあった築120年以上の古民家を、オーナーが手作業で解体し、手入れをして岩美町に運んで建てた家ということもあり、まず訪れた時に、その外観に見惚れてしまいました。

家守のご夫婦もとてもあたたかいお人柄だったのが印象に残っています。

実は連日仕事が忙しく夜遅く家に帰っており、なかなか家守の方とお会いすることができなかったのですが、最終日の朝、なんと朝ご飯を作ってくださったんです。

しかも、その朝ご飯というのが庭先で取れた新鮮なお野菜を使ったサラダや、自家製マーマレード。とても贅沢な時間を過ごしました。

私は普段あまり朝ご飯は食べないのですが、心遣いとお料理の魅力に、つい、いただいてしまうほどでした。

観光もしたいと思っていたものの、話が盛り上がり、結局その後1時間以上お二人とお話して、出発時間ギリギリまでたのしい時間を過ごすことができました。

「家族がいるから」それは制約ではなく可能性かもしれない

家族の別居や新しい教育スタイルの実践、シェアハウスでの暮らし、と世の中の「当たり前」とされることに縛られず、変化を恐れずに行動する姿が印象的な渡辺さん。

お一人でADDressを利用することもあるそうですが、意外にも「やっぱり子供がいないとつまらないと思ってしまう自分がいた」「子供がいると仕事どころではないので、必然的に仕事もストップできる」とのこと。

「子育て中だから」「家族がいるから」そんな制約とも感じられる前置きも、渡辺さんのようにポジティブに変換すれば、暮らしをより楽しむことができるかもしれません。

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この記事を書いた人

三上ゆき

一般社団法人READYBOXで副代表をしながら、ライターやフリースクールの先生もしています。 「いいことを、淡々と」がモットー。