多拠点生活で気づいた理想の暮らし方|Living After ADDress

※こちらの記事は、「Living After ADDress vol.4 季節のある暮らし〜東京育ちが気づいた東京との向き合い方〜」のイベントレポートです。

ADDress会員を経て、甲府B邸にて家守もご経験された近藤さん。現在はADDressを卒業し新しい生活をスタートされようとしています。会員と家守2つの視点を持つ近藤さんからみた多拠点生活とはどのようなものなのでしょうか。理想の暮らしをキーワードに紐解きます。

登壇者紹介

▷ゲスト:近藤美奈子さん

大学卒業をきっかけに関東を離れ大阪と山梨に居住
西日本の文化に触れ、日本の魅力を再発見。

住まないとその地域のことを知ることはできないという思いから、「まだ知らない土地に住む」が人生のモチベーションに。
東京に戻るタイミングでADDressをはじめる。その後甲府B邸で家守を経験。
結婚を機に、新潟県十日町に移住予定。

会社員をしながらの多拠点生活

多拠点生活をしていたときは、会社にそのことを話していなかったので、急な出社にも対応できる距離に滞在していました。

例えば、鎌倉に滞在後、東京のオフィスに出社してから千葉方面に移動するなど、福島県、新潟県、岐阜県あたりを境に関東近辺に滞在することが多かったように思います。

初めての場所は水が合うかわからないので、まずは3日程度滞在してみて、相性が良ければ一週間ほどリピート滞在するのがおすすめです。

偶発的な出会いから継続的なつながりへ

ADDressでは「ふとしたお誘いの応酬」が盛んなので、ノープランでも地域での滞在を十分楽しめます。神奈川県の三浦邸ではADDress代表の佐別当さんとたまたま出会いました。ビールのおすそ分けをきっかけに、マグロの解体工場にお誘いいただき、仕事をしながら楽しみました。

茨城県大洗町では、滞在期間が一緒だった会員の方々とフィーリングが合い、とても居心地が良い一週間を過ごしました。最終夜、「むらい」という個性的なマスターが営むバーでビールを飲んだ時間は忘れません。

また、静岡県の用宗A邸は「ローケーション」「家」「家守」の3拍子がそろっていて大好きなお家です。甲府B邸で家守をしていたとき、おすすめのお家を聞かれた時は「用宗A邸」と答えていました。電車でも車でも行きやすいこともポイントですよね。

暮らし方の違いもエンターテイメント!

仕事が忙しくなり多拠点生活に一旦終止符を打った後、甲府に新しいお家ができるタイミングで、家守にお声かけいただきました。「またとないチャンス」と2つ返事で受けましたね。山梨で働いていた頃に行きつけの飲み屋さんがあったり、地域の方とのコネクションがあったので家守に選んでいただきやすかったのかなと思っています。

(甲府でお気に入りのお店のひとつ「koen」で会員さんと)

来てくださる方とは基本的に顔を合わせて話すようにしていたので、家守になってからのほうが会員のみなさんの多様性を感じるようになりました。家守であっても会員であっても「人それぞれ違うこと」をエンターテインメントと捉えると、シェア生活でおおらかな時間を過ごせると思います。

例えば、洗ったお皿をすぐ拭く人もいれば、ずっと置いておく人もいて。「こういう暮らし方もあるんだな」と先入観を持たずに面白がれるようになると、ストレスを溜めることなく生活できると思いますよ。

「リアリティ」を感じながら日々の暮らしを重ねていきたい

多拠点生活をしてみて、私の理想の暮らしは「リアリティ」があることだなと気が付きました。

「リアリティ」とは「季節」や「人付き合い」に対して5感をフルに使って感じ取ることや、「土地への愛着」「地のものを取り入れる」など自分がその土地に何かコミットしている実感を得ながら暮らすことです。

例えば、地域でつくられたものを食べるときに、生産者の顔が見えたり、育てている田んぼや畑があったり。自分が目で見るものや触れるものに「手触り感がある生活」をしていきたいと思っています。

(静岡県伊東の直売所でもらったセリ。旬のものがお買い得なので直売所が大好き)

また、山と暮らすことが好きだと再認識できたのも多拠点生活のおかげです。

山梨に住んだことをきっかけに元々山が好きという実感はあったのですが、本当かどうか確かめるためにあえて、海の近くを選んで滞在していたことがありました。

(兵庫県淡路島の一枚。朝日・夕日の時刻の違いで季節を感じられるのがいいなあ)

朝日や夕日の時間に散歩したり、仕事の合間に海でランチしたり、海街暮らしを楽しんだのですが……。やっぱり、山が好きだと実感しましたね!どっしりと構えている風貌も落ち着きますし、近くの山と遠くの山で季節感や見え方が異なるのも魅力の1つです

(長野県大町の北アルプスの展望)

さらなる「まだ知らない土地」へ

結婚を機にパートナーに合わせて十日町に引っ越すことが決まっています。初めての豪雪地帯ということもあり、不安が大きいのが正直なところです。

一方で十日町は私が居住先としては選ばない地域なので、面白い機会だなとワクワクもしています。根を張って地域に住むのは一年半振りになるので、その感覚を少しずつ取り戻し、地域の方と関わりながら頑張りたいと思っています。

また、十日町での暮らしも2、3年と決まっているので、次はどこに住もうかなと今から考えています。