「サードコミュニティのある暮らし」イベントレポート

高円寺の銭湯「小杉湯」3代目平松さんと、小杉湯となりを運営する「銭湯ぐらし」の代表加藤さん、ADDressの代表佐別当、ADDressカスタマーサクセスでかつて小杉湯で働いていた原の4名が登壇したイベント「サードコミュニティのある暮らし」をレポートします!

「ADDress」・「小杉湯」・「小杉湯となり」それぞれの暮らしの再定義や目指すコミュニティのあり方をききました。

■小杉湯とは

昭和8年創業で建物は重要有形文化財に登録されています。

高円寺らしい「ごちゃ混ぜ感」をぎゅっと凝縮したような街の銭湯で、時代に合わせて中身を変え続け、高円寺の人々とともにあり続けてきました。

ケの日のハレをテーマに、日常の中のちょっとした幸せを感じてもらえる場所です。

小杉湯となりとは

その名の通り小杉湯となりにある会員制のコミュニティスペースです。1階はシェアキッチンや居間のような使われ方をしています。

2階は畳の小上がりがある書斎で3階は貸し切りで利用できるようになっています。

銭湯のように高い窓から光が入る特徴的な建物で、あえて2階の音が1階に漏れるようになっており、会話がなくても人の気配を感じるような銭湯的なコミュニケーションができる場所としてつくられています。

■暮らしの再定義

▷ 佐別当(ADDress):

東京で1人暮らしをする場合、敷金礼金を払った上に光熱費込みで8万円の家賃を毎月支払うというような生活が一般的だと思うのですが、こうした「生活費のために仕事をする」という価値観が課題だと思っています。

何でも手に入るようで何も手に入らなくなってしまう。

ADDressの会員は20代が一番多いのですが、「実家暮らし+ADDress」というライフスタイルを選択している方が多いように見受けられます。

みなさん「所得の中でのお金の配分をどう変えていくか」を検討されて入会していますね。

小杉湯や小杉湯となりを利用している方も自分の暮らしの再定義をされている方が多いのではないでしょうか。

▷ 平松さん(小杉湯)・加藤さん(銭湯ぐらし):

たしかに、「豊かな暮らしとは何か」を考えている方は多いかもしれません。

運営メンバーで非金銭的に手伝ってくれる人もいるのですが、そうした方は人とのつながりが自分の暮らしの質に関わっていることを知っています。

▷ 原(ADDress):

高円寺に暮らしていたとき「小杉湯」や「小杉湯となり」を手伝うことは、自分の暮らしの延長でした。

自分が毎日使うところだから掃除もするし大切に扱うし、誰かに言われなくても自然と自分ごととして捉えていました。

その経験が生きて、たとえば新規ADDress会員へ部屋のお掃除などをお願いする場合も「ルールだから」という縛りではなく、ADDressは暮らしのサービスなので「自分の生活を整えるためのお願い」という伝え方をしています。

■まちの居心地の良さとは

▷ 原(ADDress):高円寺のまちの魅力はなんですか?

平松さん:歴史背景も含め多様性を受け入れるまちであることでしょうか。世の中のイメージだとミュージシャンやお笑い芸人といった夢を追いかけている人が多いまちという印象かもしれません。

絶妙に中の人と外の文化が入り混じっていることが高円寺らしいと感じますね。

誰に対しても閉じないまち。

小杉湯らしさも高円寺らしさの中にあると思います。

▷ 加藤さん(銭湯ぐらし):

「適度な無関心」という言葉がぴったりだと思っていて。銭湯って自分が裸になるから、相手が裸でも気にならないじゃないですか。

高円寺も似ていて、変わった人が結構いるので(笑)。

「あの人がああいうことをしているから自分もまぁいいかな」というように良い意味で意識が低くなるから、居心地がいいと感じるんだと思います。

■サードコミュニティとは

▷ 佐別当(ADDress):

 サードコミュニティとは「生きている実感を得られる場所」だと定義しています。

規模が大きい場所ではなく銭湯やサウナやスナックのような、ADDressでいうと4LDK程度の大きさが適度にリアルな関係性をつくれると考えています。

人は、自分がその場所に関わっていると思えるところがあればあるほど、生きている実感をえられるはず。

それが、まさにADDressでつくっていきたい「サードコミュニティ」だなと。

▷ 加藤さん(銭湯ぐらし):

単純にコミュニティというと交流しないといけない、交流が続かないと壊れてしまうものだと思われがちですが、誰とも話したくないときでも癒やされるような余白を大事にすることで適度な「サードコミュニティ」をつくれるのかもしれませんね。

▷ 平松さん(小杉湯):

会社と家の往復で、SNSで発信する人のキラキラした生活を見ては辛い気持ちになっていたという人が高円寺に引っ越してきて小杉湯に来ると、自己肯定感が下がりにくいんですよね。

高円寺には本当にいろんな人がいて、町の中に多様性を感じられると安心するんだろうなと思います。

銭湯に来ると内省に対しても寛容になるし。暗くていいんだよ、という。笑

▷ 佐別当(ADDress):

ADDressも1人になりたいときは個室でゆったりできるし、人と話したいときはラウンジで交流したり、生活に余白があることが魅力ですね。

やはりADDressは小杉湯と小杉湯となりに似ています!

■まちを家ととらえて暮らす

▷ 平松さん(小杉湯)加藤さん(銭湯ぐらし):

どんなまちに住んだか、どんな家に住んだかは、その人の人生に大きく影響を与えていると思います。

でも10代までは親の物語の中でまちと家が決められていて、社会人になると会社の物語の中でまちと家が決められる。

自分の意思で自分のまちを選んだときに、ようやく人生にどれだけ影響を与えているのかということに気がつくと思います。

小杉湯があるから高円寺を選ぶのもそうだし、ADDressの会員になって自分の意思で様々なところに住んで、自分が気に入った場所、好きな人がいる場所、好きなまちを選ぶことはその人の人生の中で大きな意味を持つのではないでしょうか。

小杉湯となりも引き続き会員を募集しています!

見学はいつでもご案内できるのでぜひ一度見に来てもらえたら嬉しいです。

▼ADDressに入会したい方はこちらから▼
https://address.love/

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この記事を書いた人

旅するフリーランス女将|さくらい ちさと

旅をしながら、地域のヒトモノコトが「らしく」あるように、編集し、演出し、調整するお仕事しています。執筆する人や場所のシズル感が伝わり、個性があふれるような文章になるよう心がけています。