自然以上におもしろい白馬の人々を伝えたい 【ADDress家守インタビュー】白馬A邸 田中さん

ADDressの特徴は均質化されていない滞在体験。

観光だけではなく、家守やその土地にいる方々、同じようにさすらう会員同士の偶然の出会いから始まる交流の楽しさ。

家々の個性や偶然性を楽しむことこそが、このADDressのサービスを満喫するコツです。

家の個性を形にする、家守の存在。

今回ご紹介するのは白馬A邸の田中さんです。

「白馬の面白さは、何といってもそこにいる人たちなんですよ」

白馬といえば自然かと思っていたけど、、

「私はスキーもスノボもやらない。でも山を見るのは好きなんです」

白馬といえばウィンタースポーツ好きかと思っていたら、、、

予想外の答えが次々に飛び出す田中さんは、自身が構想中の企画の話をし始めると目が輝きます。

ゲストハウス運営に家守だけではなく、楽しい発想をどんどん実現して世界が広がる。起点は共通して「面白そうなこと」でした。

白馬を盛り上げるアイデアコンテスト「百馬力」でADDressの構想を聞いた

ADDressを知ったきっかけは白馬で開催される「百馬力」でADDress代表の佐別当さんの構想を聞いたことでした。

百馬力」とは、白馬を盛り上げるアイデアをプレゼンする、年に2回開催されるイベントです。

当時は「多拠点生活」や「関係人口」というキーワードが記憶に残りました。既にゲストハウスを10年運営していたので、「ゲストとホストがフラットな関係性」というのは想像がつきますが、ゲストと地域の人をつなげてゲストが何度も訪れてくれるような関係人口を作る構想は新しいと思いました。

「定額全国住み放題」という仕組みと、家守の存在がそれを可能にしているのではと感じましたね。

ADDressがクラウドファンディングを始めてニュースでも話題になってきた2019年頃、話を聞きたくて佐別当さんに直接アプローチしました。

担当の人とやり取りを始め、1年程度で白馬A邸がオープンしました。

個性豊かなチーム家守で運営する

最初の1年は家守にコミットしようと思い、鍵の受け渡しだけでも「ゲストに会う」をマイルールにしていました。

どんな方が来るか興味がありましたし、その方を見て地元の人とつなげたり、行きつけの居酒屋に誘ったりもしていました。

ADDressが始まって予想と違ったのは稼働率です。週1~2日埋まるくらいかなと思っていましたが、ほぼ平日も埋まりました。

会員はPCひとつでお仕事ができる方も多く、観光の方と違って平日はお仕事をしていたりします。部屋から見える山々の眺めが気分転換になると好評ですね。

面白い会員にも出会いました。「生き方編集者」としてさまざまな人の履歴書のようなものを作っている方とか、地方創生でいろいろな場所でプレゼンをされている方とか。

ADDressを始めたからこその出会いがいくつもありました。

(滞在する会員に配布される白馬A邸紹介資料より引用)

2年目からはチーム家守として4人で運営しています。友人に「家守という面白い仕事があるよ」とプレゼンしたら興味をもってくれて、参画してくれました。

私のほかには「天文学や宇宙が好きな住み込み高校生家守、ハルキ」「会員や地元の人が通う地元の居酒屋、ニューフジヤを運営するこうすけ」「遊びの天才、としさん」の3人がいます。

みんな個性豊かで交流好き。地元とつなげる接点になってくれます。

例えば、こうすけが運営する「ニューフジヤ」はADDress会員の行きつけになりつつあるとともに、地元の人もよく通うお店。

85歳で赤いミニクーパーに乗り、ゴルフをするおばあちゃんも地元の常連です。夜、お店にいないときはカラオケに行っていますね。アクティブなおばあちゃんです。

「ニューフジヤ」では「白馬でこんなことやりたい」をプレゼンするイベントを月1回、第一木曜の夜に開催しています。

今まで出たアイデアとして、「スノーボードをリサイクルしてスケボーにしてみた。どのように売るか?」や「白馬でリトリートをしたい」といったものがありましたね。

タイミングが合えば会員も誘っています。プレゼンを聞いて意見を言ってもらってもよいですし、自らプレゼンも歓迎ですよ。

創造性が高まる「エクストリームワーケーション部」をADDressで立ち上げた

ADDressでは会員、家守、運営も入るコミュニティがあり、その中で部活を作ることもできます。

私は「エクストリームワーケーション部」を立ち上げて部長をしています。

突き抜けた場所でのワーケーションの様子を写真や動画にしてみなさんに紹介しています。

これからの仕事に必要なのは「生産性」+「創造性」を高めること。発想を豊かにするために、仕事をする環境もストレスを減らして精神を開放する提案をしています。

正直、エクストリームワーケーションの生産性はゼロですが(笑)

創造性が高まり仕事や生活の「ヒント」「インスピレーション」「アイディアやひらめき」が生まれます。あとは、シンプルに楽しい!

ワクワクしながら働ける環境を追い求めて、部員のみなさんはさまざまな場所でワーケーションをしています。

ワーケーションにも生活にも便利な白馬A邸

白馬A邸は駅から徒歩2分とアクセスが便利な場所にあり、部屋は窓が広く、白馬の山々を見ることができます。

共有スペースのリビングにも長いダイニングテーブルがあり、交流も楽しめます。

近くはスーパーやドラッグストアも徒歩5分圏内の場所にあり、生活はしやすいと思います。

徒歩10分くらいでアウトドアショップに併設されたスターバックスコーヒーがあり、早朝7時から営業しています。テラスからは白馬の山々を眺めることができますよ。

山々の四季と温泉を楽しめる

周辺の楽しみ方としては、白馬の冬のスキー、スノーボードのウィンタースポーツはもちろんですが、春夏秋の山々もさまざまな表情を見せてくれるので楽しめます。

おすすめは車で5分程度の白馬岩岳マウンテンリゾート。(時期によっては白馬駅からシャトルバスも出ています)

絶景が見られる山頂テラスや、その風景を楽しみながらコーヒーが飲めるカフェ、大絶景に飛び出す巨大なブランコ、バギーでのクルーズなども楽しめます。

温泉もおすすめです。珍しい点として、白馬はアルカリ性の温泉や鉄分が入った温泉など、6種類もの源泉が楽しめるんです。成分の違いを試すことで、好みがわかるかもしれないですね。

会員にも好評なのは小谷温泉です。鄙びた一軒家のような場所にあり、地元の人にも愛されています。

91歳で毎日温泉に通う、破天荒な名物和尚様にも出会えるかもしれません。

話が面白くパワフルで、会員もすぐに魅了されてしまいます。

白馬の面白さは住む人々にある

(白馬の人たち。中央右に写っているのは白馬のキャラクター、ヴィクトワール・シュヴァルブラン・村男III世)

白馬の面白さは何といってもそこに住む人たちです。

だから、会員に合いそうな方がいたらおつなぎしたりしています。

村の人口は9000名くらいですが、その約半数は移住者で、移住の目的は山やウィンタースポーツが好きである方も多い。

個人で事業を営んでいる方も多く、遊び>仕事や、遊び=仕事のような捉え方をしている人もかなりいます。

そういえば今の白馬村の村長はジャングルクルーズの船長さんをやっていた方なんですよ。

世界の支配人にも選出されています。

白馬駅の今の駅長さんは「DJ駅長」。実際にイベントも開催されました。

トランプで白馬の人たちとつながる

今、「白馬トランプ」というものを作っています。白馬に住むユニークな54名を紹介できるトランプです。

カード1枚1枚に白馬に住む人の写真がプリントされており、その人がやっているお店や活動などがカードに印刷されたQRコードから確認できるようになっています。

実はカメラも趣味が高じて仕事になってきており、私が撮影をしています。

カード遊びをしているうちにユニークな白馬の人たちを知り、会ってみたくなる。交流の気脚気になればと思っています。

白馬には「面白いことをやりたい人たち」と「その人たちの企画を面白がって、支援してくれる人たち」両方がいるんです。

面白いことを起点に、いろいろな企画が立ち上がっている。

ぜひ白馬に来て、その雰囲気を感じてほしいですね。

*****

「飽きっぽいんですよね、僕」何度か取材中に口にした田中さん。

逆に言うと、常に好奇心全開で企画の泉のように面白いことを考えつく人。

トランプの構想を見せながらどんどん目が輝いてきて、今は54人が次々に埋まり、これから撮影とストーリーヒアリングをするところだそうです。

「次はね、白馬の自然素材を使って、環境にやさしいアメニティグッズを作り、宿泊施設に置きたいんです。例えば竹でできた歯ブラシとか。環境負荷の高いプラスチックではなく、自然素材を使ったもので持続可能なアイテムにしていく。ぜひやってみたいですね」

面白いことをやろうとしている人、実行する人に惹かれて人が集まってくる。

まさにそんな引力をもつ田中さんでした。

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この記事を書いた人

高石典子

2020年8月~2年間ADDress会員として、月の半分はADDressの家を巡り、半分は自宅で過ごす。HR業界が長く、キャリア支援&ライターの仕事に従事。高校・大学生の2人の子の母でADDress利用時は母親業もフルリモート対応。喫茶店での読書と銭湯後の一杯が至福のひととき。インタビュー執筆では「その人にしかない魅力を引き出すこと」をモットーにしています。