数年前まで、航空整備士として東京を拠点に働いていたという横山さん。
実家の農家の廃業を機に、ご自身の生き方や働き方を見つめ直し、地元栃木に戻った現在は「前よりも地に足ついて生きている気がする」と言います。
そんな横山さんに地域おこし協力隊として地元に戻るまで、そして地元に戻った後のさまざまな取り組み、そして家守になるまでの歩みについてお話をお聞きしました。
目次
実家の農家の廃業を機に考えた「何のために生きているのか」という問い
母方の実家が農家をしていましたが、祖父母の体調面の懸念もあり、2014年頃に廃業となりました。毎年当たり前のように届いていたお米が届かなくなった時、地元が1つなくなったかのような、そんな寂しい気持ちになったことを覚えています。
この出来事を機に、なぜ自分は東京で仕事をしているのか、もっというと何のために生きているのかということが見えなくなってしまいました。
整備士の資格さえあれば他の誰かと代替がきく仕事をなぜやっているのか。そんなことも考えました。
改めて、自分は何をして生きていきたいのかと考えた時、ふと出てきたのは、「いつか地元に還元できることがしたい」という想いでした。
とはいえ実際は、すぐに辞表を出して実家に帰るようなかっこいい展開にはなりませんでした。それまで整備士の仕事をメインにしてきましたが、まずは会社の制度を活用して、新規事業に関わるなど仕事の幅を広げることからはじめました。
4年ほど働く中で、プロジェクトディレクターとして誰かと新しいものを作り上げていくことが得意だということに気づき、こういったスキルを活かして何かしたいと思うようになりました。
そんな折に、たまたま仕事でご一緒した方から「地域おこし協力隊」という存在を教えていただき、この制度を使って地元栃木に戻ることができました。
総勢200名超えのボランティアと作った小山A邸
地域おこし協力隊といっても、どんな働き方になるかは受け入れ地域次第です。最初に赴任した地域では先方の要望と私の強い想いが一致せず苦い思い出になりました。
自分のやりたいことはできないのかもしれないと諦めかけたのですが、そんな中で、私の強い想いや行動力を評価してくれたのが現在、地域おこし協力隊として活動している小山市でした。
小山市は「PLAN OYAMA」として、民間と行政が連携し、エリア全体でまちづくりに取り組んでいます。実は小山駅は新幹線も停車する駅ではありながら、駅から1km圏内の約4割が駐車場や空き家になっており、かつての賑わいが失われています。
そこで、私は駅近くの空き家のリノベーションを軸に、たくさんのボランティアを巻き込みながら、地元にきてくれた人に「小山っておもしろい」と思ってもらえるようさまざまな取り組みをしています。
駅徒歩7分の小山A邸は、この空き家リノベーションプロジェクトの2件目で、総勢231名のボランティアのみなさんと作り上げました。
地元とはいえ、私は15年近く離れていたので、ボランティアの方々と作業をする中で、地元の仲間集めのような役割も果たしています。
しっくいメーカーや地元大学の実行委員会の学生ボランティアをはじめとし、アーティストに職人など、年齢も業種も問わずさまざまな方のアイデアと協力でできている家です。地域の方々を巻き込みながら作り上げることで、この場所がさまざまな人が交流したり、おもしろい人たちが集まる場所になると考えています。
実はこの家のリノベーションの最中にADDressの方がやってきて、私が考えていたような「おもしろい人が集まる」という想いをまさに体現できそうだと感じたこともあり、ADDressの家としても登録しました。
地方の良さは「ご近所付き合いのめんどくささ」。高齢者も若者も、両者が尊重しあえる関係性を作る。
私の思う地方の良さは「ご近所付き合いのめんどくささ」にあると思っています。もちろん問題も起こりますが、なんだかんだ、最終的にはみんな笑顔になっている、そんな関係性があります。
その一方で、地方の課題として、自治会が高齢者ばかりになり、若者の扱いが雑になってしまい、最終的に地域に欠かせない若い世代の人たちがどんどん遠ざかってしまうといった状況を体感しました。
どちらが良い悪いではなく、私は、若者が高齢者を尊敬し、高齢者が若者を尊重する仕組みを作りたいと思っています。
そのために、新しい風を吹き込める若者のサポート、特にアーティストを積極的に誘致し、市や地域とつなげる取り組みも行っています。1棟目のリノベーションした家も若いアーティストが個展を開く際に提供しました。
そうやって若者との繋がりができていけば、私が軸となってさまざまな人と人をつなげることができていきます。
一例として、地元の祇園祭で毎年飾っていた提灯を高齢者では飾れないからと諦める流れになった時がありました。
そんな時、私のコミュニティの人たちを巻き込むことで、若者が提灯を飾り、伝統だったお祭りの景色を継承することができたんです。
鳥居まで徒歩1分半。歴史を感じる立地で、「おもしろい人」が集まる交流の場へ。
小山A邸は、須賀神社の鳥居まで徒歩1分半という寺社仏閣好きにはたまらない立地です。
それゆえ国外のお客様にも人気で、世界各国からお客さんがきてくれます。
実はこの地は、関ヶ原の戦いの前、徳川家康が須賀神社の境内で軍議を開き、引き返して石田三成軍と戦うことを決めた場所として有名です。
須賀神社で戦勝を祈願し、天下分け目の決戦へと臨んだというストーリーのある場所なので、歴史好きの方にもぜひ訪れてほしいですね。
ADDressの家に登録してまだ2ヶ月ではありますが、おもしろいことをしたい人、地域に興味がある人と一緒にたくさんお話できる家守でいたいと思っていますし、そんな方をお待ちしています。
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