ご自身が一卵性双生児であることから、遺伝子から細胞、脳にわたる個性化機構の生命科学的な研究をこれまで行ってきたという豊田さん。
そんな豊田さんは「研究者」という肩書きながら、実は月の大半をADDressで過ごすというADDressの達人です。
今回は豊田さんの人生のターニングポイントになったフィンランド留学での経験やADDressを頻繁に利用する豊田さんならではのおすすめポイント、おすすめの家などをたっぷりお伺いしました。
目次
空き家率ワースト1位の山梨、サマーコテージを持つ人の多いフィンランド。2つの土地で暮らして考えたこと。
私はマウスを用いた神経細胞の個性化の研究で博士号を取得した後、2014年より大阪大学ツインリサーチセンターの被験者および研究者として活動するかたわら、2015年より山梨大学にて日本学術振興会 特別研究員として、認知機能の個性に及ぼす遺伝・環境要因についての研究に従事していました。
今思えば、山梨という土地にたまたまご縁があったものの、山梨は空き家率ワースト1位ということもあり、空き家問題について考えるきっかけになったと感じています。
また、当時は研究の都合ではありましたが、山梨と大阪をよく行き来しており、二拠点生活を送っていました。
その後、2018年4月から2020年6月まで、ヘルシンキ大学にてフィンランド双子コホート研究グループの客員研究員として働いていました。
フィンランドでは長い夏季休暇を、田舎の湖畔に建てられた「サマーコテージ」で過ごす人が多いです。
サマーコテージにはサウナが併設されていることがほとんどで、留学中に私も友人のサウナでロウリュ(温まった岩に水をかけるサウナのスタイルの一種)して、湖で泳ぐ体験をしました。
また、公衆サウナや、誰でも無料で入れるコミュニティサウナにもよく行きました。
このように、一般の人でも都市と田舎の二拠点をもっているのが当たり前であったり、サウナでリラックスするという文化に触れられたのは貴重な経験で、後の多拠点生活やコミュニティ活動に関わる動機になっていますね。
今まで訪れた国は54ヶ国。旅好きの私とADDressとの出会い
私はもともと旅好きでしたが、上記のフィンランドへの留学では、ヘルシンキ空港までドアトゥドアで30分くらいの場所に住んでいたこと、そしてパスポートチェックなしでシェンゲン協定のさまざまな国に行けたことから、30ヶ国以上のヨーロッパや周辺の国々を回りました。
その後2020年に日本に戻りましたが、コロナ禍だったこともあり、実家のある愛知で過ごしていました。
今後の生活をどうしていくのか考えている中、以前から気になっていた名古屋の「なごのキャンパス」というスタートアップのインキュベーションセンターでシェアリングエコノミー協会のイベントがあると知り、参加することにしました。
このイベントの中でADDress代表の佐別当隆志さんによる多拠点生活やADDressの紹介があり、興味を持った私は、より詳しく知りたいと思い、11月の「SHARE SUMMIT 2022」や小豆島B邸家守のあみーごさん(当時)が実施されていた、オンライン拠点ツアーにも参加しました。
知れば知るほどサービスに惹かれ、昨年12月からADDressを使い始めました。
月の大半をADDressで過ごす私の「おすすめの家」
これまでは海外旅行がメインでしたが、逆に日本国内でまだまだ行ったことのない場所が多かったため、はじめの頃は四国や九州、そして本州と、40以上のさまざまな家に滞在しました。
4月に東北を回り、ADDressを始める前を含めて47都道府県すべての土地を踏むことができた時は達成感がありました。
最近では、遠出はしなくても、実家のある愛知で、名古屋A、B、C邸を転々とすることもあり、月の大半はADDressを利用しています。
どの家もそれぞれに楽しい思い出ばかりですが、その中でも特に印象に残っているのが伊賀A邸、用宗A邸、鶴巻温泉A邸の3ヶ所です。
伊賀A邸では、家守の百中さんのご縁で、京都府唯一の村である南山城村にて、5月に「手植え」を体験しました。
素足で泥の中に入ると、ひんやりして気持ちがよかったのを覚えています。この体験には全国から30名もの方が集まりました。
9月と10月には稲刈りや、足踏み脱穀機と唐箕(とうみ)を使った脱穀の体験もできて、忘れられない貴重な経験となりました。
用宗A邸は、家守の八木さんがおもしろい方で、お話をするだけでも楽しかった記憶があります。
また、この家の壁にはたくさんの色紙があり、訪れた人たちの「夢」が書かれているので、そこから色んなお話が聞けるのもおもしろいですね。
用宗では用宗A、B、C邸、音羽町A邸の合同交流会が定期的に開催されています。今年の夏には、家守さんや会員さん、スタッフさんとのBBQを楽しみました。
鶴巻温泉A邸では、錫(すず)のアクセサリー作りを体験しました。
家守の山口さんは地域との関わりも深く、さとやま再生活動や旅行会社などさまざまな活動をされており、その繋がりでの企画とのことでした。
なんと講師の方もADDress会員の方で、この日はじめて講師デビューをされたそうです。
上記以外にも、「一軒家」の家はかなりおすすめです。私はホテルに泊まると密閉感を感じるタイプですが、ADDressには一軒家の家も多く、開放感を感じながら過ごせますし、さらに自炊もできる点がありがたいですね。
ちなみに今いる名古屋C邸は、一人一台冷蔵庫があったり、ベッドもかなり本格的でとてもくつろいで過ごすことができていますよ。
他にも、ADDressの滞在を通して交流をしたいという人には、関東、特に神奈川がおすすめです。近距離にADDressの家がたくさんあるせいか、人の距離感も近いと感じます。
私の住んでいる愛知はまだ家が少ないですが、今後家が増えて、もっと人の繋がりができていくといいなと感じるので、ぜひ名古屋にも遊びにきてください!
「部活動」でADDressライフをより楽しむ!
ADDressは、会員というコミュニティが出来上がっているので、どこへ行っても「知り合いの知り合い」のように関係性が広がりやすいと感じます。
ある家で出会って、また別の家でも会うというような「継続したゆるやかな関係性」を築けるのもおもしろいポイントだと思います。
ADDressはシェアハウスのように人が1ヶ所に常に集まっている訳ではなく、分散して色々な土地に家があります。このような分散した立地のおかげで、異質な人同士が心地よい距離感で繋がり続けられるのではないでしょうか。
また、よりADDress会員として積極的に関わりたいと感じた方には部活動もおすすめです。
私はこの春から、ADDressの部活の1つ「読書好き部」でも活動しています。月2〜3回読書会をオンラインで実施していますが、本の話はもちろん、バックグラウンドも様々な人と本について話すのは、知らなかったことも知れてとても楽しいですね。
ADDressでもっとも活動的な部活は「KP(乾杯)部」ですね。活動内容は乾杯した写真をADDressコミュニティサイト「ADDress+(アドプラ)」でシェアすることです。写真から各家ごとの特色を知ることができて楽しいですね。
読書好き部部長のあみーごさんが家守をしている小豆島B邸(当時)に滞在したときは、たこの卵でKPしました(笑)。
フィンランドの「寛容な社会」が教えてくれたこと
豊田さんは現在、研究者というこれまでの肩書きや経歴に囚われることなく、barでの多拠点生活啓蒙イベントの開催やシェアリングエコノミー協会公認アンバサダーなど、様々なチャレンジをされています。
そんな豊田さんのキャリア観、人生観が変わったきっかけについてお伺いしました。
「やはりフィンランドでの生活がきっかけですね。日本では大学院といえば20代、30代の人がほとんどですが、フィンランドでは40代はもちろん、60歳で博士課程に入り、70歳で博士号を取得した同僚もいました。
社会保障の手厚さもあると思いますが、性別や年齢に寛容な社会を体感したことは今後の人生を生きる上で大切なことだったと思います。
また、フィンランドは世界幸福度ランキング6年連続1位の国であり、自然の中で過ごしたり、趣味のコミュニティに参加することが自己肯定感や主体性を育み、健康や幸福につながることは意識するようになりました。」
日本においても、コロナ禍以降、リモートワークが増えるなどより多様な働き方ができる仕組みも生まれ始めました。
人生を一気に変えることは難しくても、見える景色や、関わる人を変えてみると、思わぬ変化があるかもしれません。
まずは週末、「住む場所」を変えることからはじめてみませんか。
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