「こんぴらさん」の愛称で親しまれる金刀比羅宮の門前町、香川県琴平町。人口約8,300人、日本一小さな香川県の中でもいちばん小さなこの町で今、コロナ以降に生まれたコワーキングホステルやリノベーション物件が次々と誕生し、地域の人と出会いながら暮らす二拠点生活・移住の受け皿が広がっています。

2026年6月29日(月)夜、ADDress Local Activityと琴平バス株式会社の共催で、オンラインイベント「行ったことのない町に、会いたい人ができる。香川県琴平町オンラインツアー ~自宅にいながら高速バスで琴平へ~」を開催しました。

「こんぴらさん」の門前町として知られる香川県琴平町。今回のツアーは、自宅にいながら高速バスで琴平へ向かう疑似体験を楽しみつつ町を巡り、地域で活躍する人たちと直接交流できる、参加費無料のオンラインバスツアーです。

私たちがこのイベントで届けたかったのは、観光情報ではなく「琴平に知り合い・会いたい人ができる体験」。オンラインツアーが初めてという参加者がほとんどのなか、画面越しのチャット欄に「行きたい気持ちが勝りました」「滞在というか、住みたくなりますね」の文字が流れ続けた約2時間の様子を、ダイジェストでお届けします。

案内役は、琴平バスの久保瑛美香さん(えみちゃん)。ADDressからは、会員でプロアドレスホッパーの西出裕貴さん(にっしー)が参加しました。

2026年9月26日(土)から27日(日)にかけて、琴平の魅力を存分に味わうリアルツアーを開催します。今回のオンライン体験で巡ったあの場所、あの景色を、今度はぜひ現地で体感してください。7月末までのお申し込みなら、お得な早割も適用されます。再会の約束を、この秋の琴平で。お早めのご予約をお待ちしています。

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目次

  1. 自宅から高速バスに”乗車”。日本一小さな県の、いちばん小さな町へ
  2. 参道沿いのコワーキングホステル「Kotori」(琴平A邸)
  3. 香川のサグラダファミリア?セルフリノベで生まれた「HAKOBUNEビル」と「Hostelコトヒラクラスカ」(琴平B邸)
  4. 商店街のシャッターをひとつずつ開けていく——「KOTOVEGAS」(琴平C邸・D邸)
  5. 地域の人たちとオンライン乾杯・交流会
  6. 参加者からの質問より
  7. 「また来たい」ではなく「また会いたい」——リアルツアーのご案内

自宅から高速バスに”乗車”。日本一小さな県の、いちばん小さな町へ

20時、参加者は自宅から高速バスに”乗車”。「本日は香川県にお越しくださいましてありがとうございます」——えみちゃんのバスガイドさながらのアナウンスで、旅が始まりました。ただのオンライン説明会ではなく、シートベルトを締めてバスで琴平へ向かうところから体験が始まるのが、このツアーの特徴です。

車窓を楽しみながらの道中は、香川県クイズで盛り上がりました。香川県は日本一小さな県で、端から端まで車で約3時間。そして今回向かう琴平町は、その日本一小さな香川県の中でもいちばん小さな町。人口約8,300人、金刀比羅宮の門前町として栄えてきた町です。

参道沿いのコワーキングホステル「Kotori」(琴平A邸)

琴平に”到着”して最初に訪れたのは、こんぴらさんの表参道沿いにある「Kotori Coworking & Hostel 琴平」。ADDressの琴平A邸でもあります。Kotoriを運営する琴平バス代表の楠木泰二朗さんが案内してくれました。

Kotoriは「琴平をデジタルノマドの聖地に」を掲げてオープンして約2年半。この日はちょうど、カレーを食べながら国際交流をするイベントの真っ最中で、海外からのゲストや子ども連れの地元の人たちで賑わう1階のコミュニティスペースが画面に映し出されました。「2年前に行きました!」——早速、訪れたことのある参加者の姿も。

ここからは、琴平B邸を運営する漆原さん、C邸・D邸を運営する近江さんも合流し、3人での夜のまち歩きがスタートしました。

香川のサグラダファミリア?セルフリノベで生まれた「HAKOBUNEビル」と「コトヒラクラスカ」(琴平B邸)

表参道の入り口から歩いてすぐ。最初に向かったのは、アーティストやクリエイターの滞在制作拠点「HAKOBUNEビル」です。案内してくれたのは、このビルを運営する株式会社栞や代表の岸本浩希さん。街のみんなからは「ぎんちゃん」と呼ばれています。

滞在するためのホステルがあって、制作するためのアトリエがあって、展示するためのギャラリーと、交流するためのカフェがある。そういう場所です。(岸本さん)

元は大食堂や宴会場を備えた古いビル。SNSで「解体作業をみんなでしませんか」と呼びかけたところ、3日間でのべ60人もの”初めまして”の人たちが集まり、天井を上げ、床を剥がし、壁を作り——できるだけセルフリノベーションで費用を抑えながら、3〜4年かけて今の形になったといいます。今なお作り続けているため、「香川のサグラダファミリアと言われています」という一言に、画面越しに笑いが起きました。

2階は100人規模のイベントができるホール。音楽ライブや地元の映画監督による上映会、演劇の舞台にもなります。3階のアトリエには、滞在アーティストの絵や服などの作品が。4階のホステルは全5部屋の個室で、香川のアーティストの絵が飾られ、地元焙煎のコーヒーが飲める部屋もあります。「もはやホールですね」「長期で泊まりたくなる部屋です」。案内が進むほど、チャット欄がにぎやかになっていきます。

絵を描く人もいれば、木工、折り紙、音楽、演劇をする人もいて。たまたま居合わせた人同士が「コラボしようよ」と新しい表現が生まれていく。そういうカオスな景色を見られるのがすごく楽しいですね。(岸本さん)

観光以外の関わりで町に人がやってくる流れは、このHAKOBUNEビルが琴平の先駆けなのでは、という話も印象的でした。

続いて向かった琴平B邸「Hostelコトヒラクラスカ」は、HAKOBUNEビルからすぐ、金倉川のほとりに建つホステル。「琴平で暮らしますか?」という意味を込めた名前で、10畳以上のゆったりした個室にドミトリーも備え、KOTORIからも徒歩すぐ。「何人かで来ても、分散して泊まってすぐ合流できます」とHostelコトヒラクラスカを運営する漆原さん。玄関には、アーティストが描いてくれたというイラストが迎えてくれます。

商店街のシャッターをひとつずつ開けていく——「KOTOVEGAS」(琴平C邸・D邸)

表参道の延長線上にある新町商店街へ。ここを案内してくれたのは、株式会社地方創生の近江淳さんです。

埼玉県出身の近江さんは、シャッター商店街の活性化事業をやりたいと全国を探すなかで琴平と出会い、2020年に文具店から始めて、商店街のシャッターをひとつずつ開けてきました。1,500種類のスコッチが並ぶバー「ドンテルママ」(マスターはなんと20代の琴平出身!こんぴら歌舞伎の時期には役者さんたちも通う名店です)、年間9,000リットルを醸造するクラフトビール醸造所「呑象(どんぞう)ブリューイング」、ヴィーガン・ベジタリアン専門のベーグル店……夜の商店街を歩きながら、個性豊かなお店が次々に紹介されました。

そしてこのエリアの宿泊拠点が「KOTOVEGAS」。木・火・土・金・水の五行をコンセプトにした5つの部屋のうち、「金(メタル)」と「水(ウォーター)」の部屋がADDressの琴平C邸・D邸です。鬼の絵が目印のレセプション、天狗がウインクするカフェ、金屏風をイメージしたベッドボードにダブルベッド2台、キッチン付き——商店街の店と住居だった建物をリノベーションした、遊び心あふれる宿です。

商店街のお肉屋さんでオリーブ牛やオリーブ豚を買ってきて、部屋のキッチンでお鍋をやることもできるんですよ。(近江さん)

泊食分離だからこそ、商店街のお店と組み合わせて食を楽しめるのも魅力です。

地域の人たちとオンライン乾杯・交流会

まち歩きのゴールは呑象ブリューイング。ここで琴平のみなさんが合流し、お待ちかねのオンライン乾杯です。参加者も自宅で飲み物を手に、画面越しにグラスを掲げました。

自己紹介では、約780年の歴史を持つ五人百姓 池商店の28代目・池龍太郎さんが登場。こんぴらさんの神様に仕えてきた一族で、参拝土産の飴を作りながら、香川の子どもたちへの歴史のお話会や、ゲストを案内する体験を提供しています。「28代目!」とチャットがどよめきました。

そして、中野うどん学校4代目の羽藤裕子さん。小麦粉からうどんをこねて、伸ばして、切る、音楽に合わせて生地を踏む「うどんダンシング」も楽しめる、讃岐うどん作り体験を提供しています。香川名物の嫁入り菓子「おいり」をあしらったソフトクリームの生みの親でもあります。

ケルシュに漬け込んだ名物の唐揚げやベーグルピザを囲みながら、話題は琴平の歴史から食の話まで。国際協力機構(JICA)の研修受け入れが続いていること、どの国の人も食べられるメニューを出すカフェが食の部門で四国1位を取ったこと——「インバウンドの方も、宗教に関係なく楽しめる町なんじゃないかな」という言葉に、門前町として旅人を迎え続けてきた琴平の懐の深さを感じました。

参加者からの質問より

交流会では、チャットに寄せられた質問に琴平のみなさんが次々と答えてくれました。

Q. おすすめの美味しいうどん屋さんは?
答えてくれたのは、琴平バス代表の楠木さん。実は、香川県内に500軒以上あるといわれるうどん店を全店制覇し、今は県外・海外のうどん屋巡りが趣味という筋金入りのうどん好きで、訪ねた店はトータル1,200軒にのぼるそうです。「マイフェイバリットのうどん屋さんはみんな持っているんですけど」と前置きしつつ、琴平のお気に入りを教えてくれました。羽藤さんからは、「自分で作ったうどんもまた美味しいですよ。世界にひとつだけですから」という、中野うどん学校ならではの切り返しも飛び出しました。

Q. 何泊がおすすめですか?
「3泊以上していただけたら、噛めば噛むほどいい味が出てくると思います」「3泊もすれば、地域の中で友達が10人はできると思いますね」(一同深くうなずく)

琴平を拠点にすれば、父母ヶ浜や祖谷のかずら橋へも車で約70分、フェリーで瀬戸内の島々へも渡れるアクセスの良さも紹介されました。

早朝参拝のすすめ
池さんが熱く語ってくれたのが、早朝参拝の魅力です。琴平では今も金刀比羅宮の職員さんが朝6時と夕方5時に「時太鼓」を108回、手動で打ち鳴らします。その音を聞きながら石段を登ると、背中から朝日が昇り、振り返れば朝焼けが。雨上がりの朝には雲海が見られることもあるそうです。

こんぴらさんの登り方は1,000パターン以上あります。石段しか登ったことがなければ、あと999回は楽しめますよ。(池さん)

桜の道、もみじの道と、季節に応じて裏参道を選びながら降りていく——そんな案内をしてくれる池さんの話に、「参拝はやっぱり朝がいいですよね」と、参加者もすっかり朝参拝の気分に。ひまわりの種を手に載せると野鳥がとまってくれる、というエピソードにも驚きの声が上がりました。

「また来たい」ではなく「また会いたい」——リアルツアーのご案内

ツアーの締めくくりは、今度は実際に琴平で会うための、リアルツアーのご案内です。

「琴平の魅力発見ツアー ~ 帰る時には、第二のふるさとに。うどん文化・参拝文化・地域と出会う2日間 ~」

  • 日程:2026年9月26日(土)13:00〜27日(日)15:00(前泊・後泊での延泊も歓迎!)
  • 内容:HAKOBUNEビル・呑象ブリューイング・KOTOVEGASを巡る街歩き、Kotoriでの懇親会、中野うどん学校での讃岐うどん打ち体験(作ったうどんはお持ち帰り)など
  • 料金:20,000円(早割18,000円)/ADDress会員はチケット5枚で参加可能 ※宿泊は各自手配
  • 詳細・お申し込み:https://luma.com/8n8gozin

「1泊じゃなくて連泊でも大丈夫ですか?」という質問には「前泊でも後泊でも、お待ちしてます!」と琴平チーム。にっしーも「僕も行きます」と宣言。すかさずチャット欄に「必ず行きます」「3泊せねば」の文字が。オンラインの出会いが、9月の再会の約束に変わった瞬間でした。

質問会では、案内してくれたみなさんの繋がりについても話が及びました。実は、この日紹介した場所はすべてコロナ以降に生まれたもの。一方で、池商店をはじめ数百年単位の歴史を持つ老舗も息づいています。「昔ながらのものがありつつ、新しいものがどんどん作られている。生きた町ですよね」というにっしーの言葉が、この夜の琴平を言い表していました。

岸本さんが明かしてくれたエピソードも忘れられません。一度は岡山に戻ろうと物件の内見までしていたところ、空き家のクローゼットを開けたら目の前にこんぴらさんのお守りが。「これは『出ていくな』と言われてるなと。もうちょっと琴平で頑張ってみます」——町に人が引き寄せられ、根を下ろしていく。そんな琴平の引力を感じる話でした。

まずはオンラインで琴平をのぞいた夜。次は、9月の琴平で。「また来たい」ではなく「また会いたい」人が、あなたにもきっとできるはずです。

当日の様子はアーカイブ動画でもご覧いただけます。 ▶ https://youtu.be/t1FS4AW-VaM