【関係人口の事例を紹介】地域や地域の人々と関わる暮らし方や取り組むメリットとは?

「関係人口」とは、地域や地域の人々と多様に関わる人々のことを表す言葉です。

今回は、関係人口とは何か、地域や地域の人々と関わる暮らし方や、関係人口を増やす目的、実際の取り組み事例について紹介していきます。

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関係人口とは

関係人口とは、その地域に移住する「定住人口」でもなく、観光に訪れる「交流人口」でもない、地域や地域の人々と多様に関わる人々のことを指す言葉です。

人口減少や高齢化によって担い手が不足している地方に関係人口が増えることで、新たな事業の創出など、地域づくりの変化がもたらされることが期待されています。

 

関係人口を増やすとどうなる?

関係人口を増やすとどうなる?

それでは、関係人口を増やすと具体的にどのような変化がもたらされるのでしょうか。関係人口を増やす目的には、次のようなものがあります。

地域の活性化

人口減少により、経済が衰退するなど深刻な問題を抱えている自治体は多数あります。

関係人口として若者の出入りが増えることで地域の人々の意欲が向上し、人口維持の取り組みを始める人が増えるなど、地域の経済が活性化する効果がもたらされます。

地域の活性化は、「地域おこし」といった言葉で表されることもあります。

インキュベーション

インキュベーションとは、新たな事業の創出や起業を支援するサービスや活動を指す言葉です。

関係人口が増えることで、地域に新たな事業が創出されることがあります。また、インキュベーションオフィスといわれる起業したい若者を支援する施設を設立する自治体も増えてきています。

 

地域や地域の人々と関わる暮らし方の事例

地域や地域の人々と関わる暮らし方の事例

関係人口として、地域や地域の人々と関わる暮らし方にはいくつかの種類があります。続いては、実際の暮らし方の事例について紹介しましょう。

二地域居住

地方で長期間過ごしたいと思いながらも都会で仕事を続けていかなければならない方のなかには、二地域居住という暮らし方を始める人もいます。

例えば、1ヶ月のうち2週間を都心で、残り2週間を地方で過ごすという暮らし方が二地域居住にあたります。

二地域居住には、それぞれの地域や地域の人々と深いつながりを持つことができるというメリットがあります。

週末移住

平日は都会で仕事をし、週末のみ地方で過ごすという暮らし方を週末移住といいます。

二地域居住と比較すると地方で過ごす期間は短くなりますが、仕事をしっかり続けながら地方と関係を持てるというメリットがあります。

ノマドワーク

関係人口となる人々の働き方はさまざまです。

ノマドワークとは、カフェやコワーキングスペースを利用した働き方です。インターネット環境が整っている場所であればどこでも仕事ができるので、場所に縛られず生活をすることができます。

リゾートバイト

関係人口のなかには、普段は都会で生活をし、限られたシーズンだけ地方でリゾートバイトを行う人々もいます。

スキーやサーフィン、ダイビングといった自分の趣味を活かしながら働くことができるというメリットがあり、住み込みでの業務なので貯金もしっかりできます。

季節労働

稲刈りの時期だけ田舎に移住し、作業が終わると都会に戻るなど、季節限定で地方と関わりながら働く人もいます。

農業だけでなく、漁業や林業においても季節限定で働くことができ、地域と深く関わることが可能です。

農業や漁業、林業は担い手不足が深刻な問題となっているので、季節労働で地方を支援することで、地域貢献にもつながります。

 

関係人口に関する地方自治体の取り組み事例

関係人口に関する地方自治体の取り組み事例

全国のさまざまな自治体では、関係人口を増やすための取り組みが行われています。続いては、実際の取り組み事例をいくつか紹介しましょう。

奈良県明日香村

奈良県明日香村では、「あすかオーナー制度」という制度を設けています。

会費を支払えば、農村にある棚田や酒、果樹などのオーナーになることができ、田植えや稲刈り、収穫といった農作業を体験することができるようになります。

地元農家の栽培指導も受けられるので、将来農家になることを希望する若者の支援にもつながっています。

明日香村では農業の担い手の高齢化や人口減少によって耕作放棄地や遊休農地が増加傾向にありましたが、あすかオーナー制度によってそれらの減少を防ぐことができ、農業の活性化につながっています。

和歌山県

和歌山県では、移住前のイメージと移住後のイメージのミスマッチを防ぐために、地域で実際に「しごと」を体験しながら、農家民宿などに滞在し「くらし」も体験できる「わかやましごと・くらし体験」を実際しています。

最大2泊3日の「起業・就農コース」と、最大5泊6日の「就労コース」の2つのコースがあり、100を超える事業所からさまざまな業種を選んで体験することができます。

体験コースを終えた後に移住し、体験した事業所に就職が決まった事例もあります。

北海道伊達市

北海道伊達市では、伊達市を支援する「心の伊達市民」のネットワークを形成しています。

市民以外であればだれでも登録が可能な「心の伊達市民」になることで、「心の伊達市民住民票」や「心の伊達市民」名刺、年2回の情報誌が届くようになります。

また、「心の伊達市民税(会費)」を納めることで特産品が届くようになります。登録し「心の伊達市民税(会費)」を払う事で伊達市を支援でき、伊達市の魅力を知った上で移住を検討することもできます。

香川県・岡山県

瀬戸内海の12の島と2つの港を舞台に3年に1度開催されている現代アートの祭典、瀬戸内国際芸術祭。香川県と岡山県では、「こえび隊」と呼ばれる瀬戸内国際芸術祭を支えるボランティアサポーターの組織を運営しています。

こえび隊は、作品制作の手伝いから芸術祭のP活動、芸術祭期間中の運営の手伝いなどを行い、深く地域と関わることができます。

ボランティアのため賃金は発生しませんが、観光客とは違った視点で芸術祭を経験することができるというメリットがあります。

 

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関係人口として地域や地域の人々との関わりを持つ暮らし方には、さまざまな種類があります。

仕事を続けながら週末移住をしたり、農作業などを季節限定で手伝ったりと自分の希望に合った暮らし方を選択することができるでしょう。

とはいえ、「どの地方に移住するか迷っている」という方や、「住居費の負担が心配」という方も多いのではないでしょうか。

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