移住の決め手は「居心地の良さ」【ADDress会員インタビュー】小野さん

地方移住に興味はあるけど、「どんな風に移住先を探したらよいんだろう?」、「他の人はどんな基準で移住先を決めているんだろう?」と疑問が多く、なかなか行動に移せないという方も多いのではないでしょうか。

今回は、ADDressでの多拠点生活で出合った地域への移住を決めた小野さんに、移住までのADDressの利用方法と移住先の決め手を伺いました。

小野さんプロフィール
2021年3月からADDressで多拠点生活を開始。都内の企業でフルリモート勤務をしながら、各地の家を周る。2022年に東京都から奈良県吉野町に移住。現在は吉野町と東京とを往復する二拠点生活を送っている。

地域の人との交流できる場所へ

ーーーADDressは移住先探しのために始められたんですか?

最初は移住するつもりはありませんでした。新型コロナウイルス感染拡大防止のために仕事が完全にリモートワークになったのですが、1年くらい経ってずっと家にいる生活に飽きてきてしまって(笑)

たまたまADDressを見つけ、拠点数を考えるとコストパフォーマンスも良さそうだと興味を持ちました。一つの家に1週間くらい滞在できるから、土日に移動したら普段生活している場所から遠くでも過ごせそうだと思ったこともきっかけの一つでした。

会社の同僚が九州や海外にいて、ちょうど「自分も東京にいる必要はないのでは?」と思っていたのと、当時流行り始めていたワーケーションをやってみたい気持ちもあって、始めてみました。

ーーー気軽に始められたんですね!どれくらい遠くの家まで行かれていたんですか?

北海道出身かつ旅行先は海外が多く、西日本へほとんど行ったことがなかったので、関西や山陰地方、九州の家などを周っていました。

公共交通機関を利用して移動することが多いのですが、レンタカーで1ヶ月くらいかけて西日本を縦断していたこともあります。

どの地域でも、カフェなどが併設されていて地域の方と交流できる家に行くことが多かったですね。

ーーー地域の方ともお話しできるのは楽しそうですね。人見知りなどは特にしなかったですか?

むしろ最初はあんまり人と話そうとしなかったです。ただ、ADDressの家で色んな年代の方や職種の方と話すうちに「交流しないともったいないな」と思い始め、自分から話しかけるようになりました

「ADDressの会員」という共通項があると分かっていたので、話しかけやすかったし仲良くなりやすかったですね。8〜9割くらいの人は話しかけるとそのまま話してくれますし。

寡黙そうな人でも、こちらが笑顔で話しかけると楽しそうに応じてくれたりして、「人は見かけによらないな」と思いました(笑)

「おかえり」と言ってくれる場所ができた

ーーー会員さんも家守さんもお話し好きな方が多いですよね!色んな地域を周られていますが、その中でも移住先を吉野に決めたきっかけはあったんですか?

よそ者を受け入れてくれる雰囲気に惹かれました。通う頻度としては1ヶ月半~2ヶ月に一度程度だったのですが、「おかえり」と言ってくれるようになって。「ここなら移住してもいいかな」と思ったんですよね。

適度な田舎感も、いいなと感じたポイントでした。自然があり、人が多すぎず気持ちよく過ごせる環境があると同時に、電車に1時間半ほど乗れば都市部にも出られる便利さもあるので、住みやすそうだと感じました。

あとは、地域の方や場所とつなぐ役割をしてくれる方がいるという安心感もありましたね。吉野A邸家守の南さんは生まれも育ちも吉野で、私が会ってみたい人や私と合いそうな地域の人を自然とつないでくれるんです。また、東京からいらっしゃっている地域の関係案内人の方もおり、自分と同じよそもの目線で人や場所を紹介してくれるので、すっと馴染むことができました。

移住で増えた新たなつながり

ーーー地域とのつながりを作ってくれる方がいるのは安心ですね。でも、元々検討していたわけではないのに移住までしようと思ったのはどうしてだったんですか?

何度も通ううちに、「自分の好きなタイミングで好きな期間いられる場所がほしいな」と思うようになったんです。それを南さんに伝えたら、空き家バンクというものがあり、ちょうど良さそうな物件があると教えてくれて。

よく吉野に通っていた別のADDressの会員さんとも「DIYをやってみたい」という話で盛り上がって、国の移住支援金を利用すれば費用もまかなえるし面白そうだなと思い、移住しようと決めました。最後はノリで決めた感じです(笑)

ーーー大きな決断をする時は勢いも大事ですよね!実際に移住してみて、生活や考え方に変化はありましたか?

東京に住んでいた時と比べて、人とのつながりや関わる回数はぐっと増えましたね。何かあった時に相談できる人がいる安心感があります。

知り合った人が他の人にも紹介してくれて、またその人が他の人を紹介してくれて……と芋づる式に人とのつながりが広がっていき、色んな人と知り合えるのが楽しいです。

また、吉野は私以外にも他の地域から来た人が数多くいて、新しいつながりから物事が広がっていくのが面白いですね。副業で新しいことにチャレンジする機会にも出会い、キャリアアップにもつながっています。

新しい価値観に出会いながら、居心地の良い場所を探していく

ーーー多拠点生活を始めてみたいと思っている方にメッセージをお願いします!

「色んなところに行ってみたい」という人はもちろん、「もっと色んな人と話ができるようになりたい」という人にも多拠点生活はおすすめだと思います。

多拠点生活や移住を通して様々な年代や地域の方と話すと、会社では絶対知れないような感覚や価値観に出合うことができます。私の場合は、新規事業開発の仕事をしているので、特に若い人の話が聞けたのが良い経験になりました。そうした経験をしているうちに、自然と自分から人に話かけるようになるんですよね。

様々なところで交流をするなかで、私のように自分の居心地のよい地域や場所が見つかることもあると思います。もしそのような場所が見つかり、もっと長い時間いたいなと思うようになったら、移住や二拠点生活など自分の生活に合う方法を探していけるといいんじゃないかなと思います。

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ずっといたい場所を見つけ、移住までされた小野さん。リノベーションが完了したばかりという家から、新しい生活について生き生きと語ってくれました。

地域の条件などを厳しく決め過ぎず、実際に足を運んでみて、自分にとって「居心地が良い」と思える場所こそが長くいられる場所なのかもしれません。

小野さんのようにまずは色んな地域を周り、お気に入りの場所を探しに行ってみてはいかがでしょうか。

(写真:小野さんご提供)

この記事を書いた人

三橋 七緒

ADDressでホッピング生活をしていたら、いつの間にかスタッフに。旅先で色んな景色や建築物を見たり、人と話したりするのが好き。その人らしさが伝わるインタビュー記事を届けたいと思っています。