同じ支出でこんなに幸福度が上がるなんて!【ADDress会員インタビュー】misakiさん

「多拠点生活、いいなとは思うけど始める勇気は出ない……」
「移動費とか食費とか、たくさんお金がかかるんじゃないの?」

そんな悩みや疑問が心に浮かんだことはありませんか。
実際に多拠点生活を実践している人は、毎月どれくらいお金を使っているのでしょうか。

今回は、1ヶ月の家計簿をSNSで赤裸々に公開しているmisakiさんに、実際の多拠点生活の様子やお金の使い方について聞いてみました。

misakiさんプロフィール
元旅行会社勤務、現フリーランスライター・ライフコーチ。2021年夏からADDressで旅暮らしを実践中。TwitterInstagramnoteでは日本各地で見つけた素敵な風景や、内向型HSP視点での旅暮らしの楽しみ方などを発信中。

旅の中でも”日常”を大切に

ーーーADDressを使ってどのような生活を送られていますか?

もともと住んでいた家は引き払い、ADDressの家だけで生活しています。1週間ほどで次の家に移動するスケジュール感です。

今までは、実家のある岐阜から西に向かい、関西、中国、四国、九州をまわって、年末年始にかけてまた岐阜に戻ってくるような形で移動をしています。

旅とは非日常で刺激的なものですが、自分は刺激が得意ではない性格なので、疲れすぎないように”日常”を大切に生活しています
普通に仕事もするし、自炊をしたり散歩に行ったりします。

フリーランスなので、仕事をいつどれくらいするかは自由です。
多拠点生活を始める前は、絶対に2日休みを確保したくて8時間労働×5日を守っていましたが、今は毎日5,6時間くらい仕事をして、毎日遊ぶ時間もある、という時間配分にしています。

同じ支出で幸福度は増加

(左から順に、10月、11月、12月の支出|misakiさんInstagramより)

ーーーInstagramなどで、毎月の支出を赤裸々に発信していますよね。家計簿の内容を教えていただけますか?

10月、11月、12月と家計簿をつけてみたのですが、支出はほぼ毎月同じで11万円台でした。
支出の総額としては定住していた頃とあまり変わっていません。

多拠点生活はもっとお金がかかるイメージだったので、「同じ支出でこれだけ幸福度が上がるなんて!」と意外でした。

ーーー定住の頃と支出総額に変化がないのは意外です!支出の内訳や、お金を使う意識の面で変化はありましたか?

まず内訳でいうと、移動費と外食費は増えました。
自炊が基本ですが、同じ家で出会った会員さんに誘われて飲みに行くこともあります。だいたい週に1,2回です。

逆に減ったのは、家賃や光熱費などの固定費と、服などのモノを買うお金です。どちらも格段に減りました。

お金を使う際の意識はとても変わりました。
まず、モノよりも体験にお金を使うようになりました

多拠点生活で持ち運べる荷物には限界があるので、そもそもモノをあまり増やせないこともありますし、せっかく知らない土地にいるからこそ、そこでしかできない体験にはお金を惜しみなく使おうと思っています。

また、お金を使う際に「それを買うことで自分の感情が動くのか」「自分の感情や経験にとって何かプラスになるのか」としっかり考えるようになりました。

今までは、「話題だから」といったなんとなくの理由で服やコスメを買うこともよくあったのですが、それって”他人軸”の考え方だなと思って。それを買う理由に自分の感情は全く含まれていないんですよね。
“自分軸”で、意思を持ってお金を使うようになりました

ーーー旅中でも今までと比べて支出が増えていないことってすごいと思うのですが、多拠点生活における節約のコツはなんですか?

そもそも、節約しようとはしていないです。節約を頑張ろうとはせずにこの支出金額になっています。もともとやりくりが好きな性格なんです。

強いて言えば、食材を買うにあたって1週間の滞在中に地元の安いお店を見つけるようにしていたり、新幹線よりも在来線を使ったりしています。
ただ、これも意識的にやっているというより、お店を見つけることも在来線に乗ることも好きだからやっていることです。

1つ1つの買い物に対して「自分にとって重要なのか」を考えることも、結果的に節約につながっていると思います。

あとは、歩くことが増えたので、電車やバスなどの細かい交通費は意外と節約できているかもしれません。

多拠点生活を始めた理由

ーーーそもそも、ADDressで多拠点生活を始めたきっかけはなんですか?

移住がしたかったので、移住先探しのために始めました。

実家は岐阜で、会社員時代は会社があった名古屋に住んでいたのですが、そこに住む理由が「実家が岐阜だったから」や「会社があるから」といった外的なものでしかないことにモヤモヤを感じていました。

「自分で選んだ街で暮らしたい!」と思って、移住を検討していました。実際に京都で物件を探してもいたのですが、そのときにADDressを広告で知りました。

「いつもの場所がいくつもある、という生き方」というコンセプトにビビッと来ました。
自分は移住したいと思い込んでいたけど、そもそも定住がしたいわけではなかったんです。

刺激の多い移動生活は自分の性格的に合わないだろうと思っていたのですが、思いのほかこの生活がしっくりきているのと、移住したい時期も特に決めていないので、今は「疲れたら定住しようかな」くらいの気持ちで多拠点生活を楽しんでいます

ーーー「定住したいわけではなかった」というのは、大きな発見だったかと思います。多拠点生活を始めるにあたって、迷ったことはありますか?

家を手放すということが一番迷うポイントでした。定住する場所って、精神的な拠り所でもあると思うので。

周りを見渡したときに、同世代の友人は結婚や出産など確固たる幸せを手に入れているのに、自分はこんなフラフラした生活でいいのか?とも思いました。

あとは、「毎日が旅」というイメージから、お金がたくさんかかるんじゃないか、刺激を好まない自分はこの生活に合わないんじゃないか、という不安もありました。

一方で、「支出が厳しかったり、合わないと感じたりすれば、やめればいい」という考えで実験的に始めたので、そのような不安はあまり問題ではなかったです。

実際に始めてみると、いい意味でイメージと違ったと感じることが多かったです。
お金は想像よりもかからなかったし、共同生活もADDressなら意外と穏やかに過ごせると感じました。

始める前は、共同生活って外向的な人たちがワイワイしているイメージで、内向的な自分には難しいと思っていました。
でも、1つの家に滞在している人数が少なく、ADDressの世界観に近い、いい意味で派手ではない穏やかな人が多いからか、なぜか初対面でも居心地がいいんですよね。

「楽しむマインド」になった

ーーー多拠点生活を始めるにあたっていろいろな迷いがあったと思うのですが、思い切って始めてみて、misakiさんご自身にはどんな変化がありましたか?

マインド面が変わったと感じます。「朝から夜まで、全部を楽しもう!」と考えるようになりました。

今までは、いつも同じ景色を見ながら仕事をしたりと日常生活を送っていましたが、多拠点生活ではいつも違う景色が見えます。海を見ながら仕事をすることもあります。

毎日違う道を散歩したり、同じ道でも昨日と今日とでは小さな変化があったり、毎日にさりげなく新しい発見が散りばめられているんです。

そのような発見は、自分がいる場所を選んだり、出かけたりといった行動を起こすからこそ得られるものです。
だからこそ、「自分から動くことで楽しもう」と思うようになりました

そんな毎日だからこそ、仕事もより楽しめるようになりました。
今までは仕事は仕事と割り切って、だからこそ休日は絶対に楽しまないといけないという”無理してる感”がありました。
でも今は、仕事もそうでない時間も、心に余裕を持って丸ごと楽しめています。

旅も日常も割り切るのではなく、そのグラデーションが心地いいです。

ーーー仕事も含め、毎日ずっと楽しいって最高ですね!最後に、多拠点生活を始めるか迷っている人に伝えたいことはありますか?

まずはやってみることだと思います。

私自身、合わないだろうなと思って始めてみたら意外と楽しく続けられています。
合わなかったらやめればいいし、合っているなら続ければいい。

ただ、やってみないと合う合わないは分からないので、まずはライトな気持ちでやってみるといいと思います!

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多拠点生活は、今までにない新しいライフスタイルです。だからこそ、実際の生活がどんな感じなのか、どれくらいお金がかかるのか、気になることも多いはず。
misakiさんの赤裸々なお話は、旅暮らしに憧れている人にとってはとても参考になる内容でした。

misakiさんのように、「合わなかったらやめたらいい」という軽やかな気持ちで、新しい自分へ一歩踏み出してみてはいかがでしょうか。

(写真:misakiさんご提供)

この記事を書いた人

伊藤真莉

ADDressでスタッフをしながら、思い立ったときにADDressLifeを楽しんでいる。海沿いの家に行きがち。もともと旅好きで、年間50泊以上は素敵なホテル・旅館に泊まる宿マニア。2022年は世界一周に挑戦予定。