
「ADDressを使う暮らしって、実際どれくらいお金がかかるの?」
「多拠点生活や2拠点生活に憧れはあるけれど、お金持ちしかできないんじゃないか…」

ネットで検索しても、綺麗なライフスタイルの写真はたくさん出てくるのに、一番知りたい「リアルな生活費」の情報はなかなか見えてこないもの。そんなモヤモヤや疑問に応えるオンラインイベント「お金のあれこれ|ADDress利用時の家計簿大公開!!」が開催されました。
今回の語り手は、37都道府県・120拠点以上を巡ってきたプロアドレスホッパーの「にっしー」。そして聞き手を務めたのは、静岡と山形県西川町を行き来しながら2拠点生活を送るADDressインターンの「もーりー」です。

結論から言うと、多拠点生活は決して特別な人の特権ではなく、設計と工夫次第で「都心での一人暮らしより安く抑えること」さえ十分に可能です。イベントで赤裸々に明かされた、4つの暮らしのフェーズごとの収支のリアルをお届けします。
登壇者プロフィール
【モデレーター】西出 裕貴(にっしー)

プロアドレスホッパー/ローカルプロデューサー。会社員でありながら家を手放し、ADDressで37都道府県・120カ所以上を多拠点生活。LOCAL NIGHT PICNICコアメンバー、THEDAY.HAKUBA VALLEY共同代表。2021年度ADDressアワード個人賞受賞。現在はADDress Local Activity事業責任者として、全国の会員・家守をつなぐイベントを企画・運営中。
もーりー(森勇人)

静岡生まれ静岡育ち。幼少から高校3年生までの14年間は水泳漬け。進学するもコロナで2年間リモート授業。大学3年時、1年間休学をして国内36都府県を周る。山形県西川町では3ヶ月地域おこし協力隊インターンとして従事。現在は同町にてコミュニティシェアハウス「間沢ハウス」を運営中。休学2年目人生葛藤期間。精進します!
呼吸するだけでお金が飛んでいく東京から、家なし生活へ
にっしーの暮らしは、これまでに大きく4つのフェーズを経てきました。
新卒で就職し、東京・品川区で一人暮らしをしていた時代。家賃や光熱費はもちろん、交通の便が良いからこそ生まれる交際費や都内での移動費も含め、「東京での一人暮らしは、呼吸するだけでお金が飛んでいく」と実感する日々でした。
転機となったのは2019年。転職を機に東京と大阪を行き来する2拠点生活をスタートさせます。当時は東京の賃貸を引き払い、ホテルの連泊割などを活用しながら実家と行き来するスタイルを取りました。転職によって額面の収入は一時的に下がったものの、支出自体は都心で一人暮らしをしていた頃とほとんど変わらず、生活のゆとりを感じられたと言います。

そして2020年、ADDressが月額定額制へ移行したタイミングで、完全に固定の家を手放す「家なし多拠点生活」へシフト。ここで驚くべき変化が起きます。毎月の住居費や光熱費がADDressの定額費用に一本化された結果、都心で普通に一人暮らしをしていた頃よりも、トータルの出費がグッと抑えられるようになったのです。
現在は結婚を経て長野県塩尻市に拠点を構えつつ、大阪と行き来しながらADDressを併用する定住型の多拠点生活を送っています。車移動が増えたことでガソリン代や高速代の比率は上がったものの、燃費の良いディーゼル車を選ぶなど、それぞれのフェーズに合わせたやりくりを重ねています。

現役大学生もーりーが実践する「山形×静岡」コスト設計
一方、学生という限られた予算の中で2拠点生活を実践しているもーりーからも、現場目線のリアルな数字と工夫が語られました。
山形県西川町で仲間たちと空き家を借りているもーりー。移動の交通費を抑えるため、木曜発の格安夜行バス(東京〜山形間で片道2,000円台前半になることも)を狙ったり、25歳以下の若者向け航空割引を活用したりと、徹底してオフピークや制度を使い倒しています。
宿泊費に関しても、仲間とシェアして固定費を割り勘にしつつ、自分たちでマルシェに出店して得た売上を家賃に充てることで、月々の手出し負担をほぼゼロにする仕組みをつくりました。
さらに地域に入り込むと、近所のおばあちゃんからご飯をご馳走になったり、畑の野菜を分けてもらったりと、都会ではあり得ない形で食費が浮いていきます。庭先でちょっとした家庭菜園を始めたことで、野菜をスーパーで買う機会すら減りました。豪雪地帯ゆえに冬場はボイラーが凍結してお湯が出なくなるといった過酷な洗礼を受けつつも、「工夫次第で生活コストはいくらでも下げられる」という実感を持っています。
多拠点生活は「白黒」ではなく「グラデーション」で選ぶもの
「多拠点生活」と聞くと、1ヶ月まるまる全国を移動し続けるハードな旅をイメージしがちです。しかし実際には、すべてを投げ打って家を手放す必要はありません。

月5日だけ近場の拠点でワーケーション気分を味わうプランなら月額約2万円から始められますし、月の半分を旅先で過ごす月15日プラン、完全に拠点を移しながら暮らす月30日プランなど、ライフスタイルに合わせて柔軟に選ぶことができます。
滞在する日数を長めに取れば、拠点のキッチンを使って自炊ができるため食費は跳ね上がりません。逆に1〜2日刻みで目まぐるしく移動を繰り返すと、外食が増え、移動の交通費がかさみ、出費が膨らんでしまいます。
また、移動手段も新幹線や飛行機だけに頼る必要はありません。金曜の夜に出発して月曜の朝に戻ってこられる距離感(例えば首都圏在住なら神奈川、山梨、静岡など)を選べば、有給を大量に消費しなくても週末だけで十分に日常の延長としての多拠点生活が成り立ちます。
「今月はゆったり滞在して生活費を抑える」「今月はアクティブに動く」というように、自分の予算やペースに合わせてグラデーションをつけられることこそが、ADDressを活用した暮らしの強みです。
まずは「別の地域に3日間、普段どおり暮らす」から
イベントの後半、参加者からの「住民票や税金はどうしているのか」「完全リモートワークの人しかできないのではないか」という質問に対しても、等身大の実情が語られました。
郵便物は実家を活用し、仕事に関してもフル出社の中で週末だけ近場を利用する会社員や、地方の短期バイト・農作業の手伝いと組み合わせて旅費を稼ぐ人など、十人十色のスタイルが存在します。
多拠点生活に興味が湧いたとき、いきなり賃貸を解約したり大きな決断を下す必要はありません。まずは普段の仕事や生活のペースを崩さず、別の地域に「3日間だけ」滞在してみること。観光名所を巡る1泊2日の旅行ではなく、地元のスーパーで食材を買い、キッチンで料理をし、ただその街で日常を過ごしてみる。
それだけで、「あ、これなら自分にも続けられるかもしれない」という確かな手応えが見えてくるはずです。
気になっている方は、ぜひ無理のない範囲から第一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか?
※アーカイブ動画本編はこちら:【アーカイブ】お金のあれこれ|ADDress利用時の家計簿大公開!!